2014年09月29日

ニシノユキヒコの恋と冒険(2014.2.8)

2014.9.28

ニシノユキヒコの恋と冒険 (2014.2.8): 作品情報 - 映画.com

川上弘美の同名人気小説を、竹野内豊主演、「犬猫」「人のセックスを笑うな」の井口奈己監督のメガホンで映画化。ルックスも良くて仕事もでき、セックスも良くて女性に優しいニシノユキヒコの周囲には、いつも魅力的な女性たちがいた。ニシノはそんな彼女たちの欲望をみたし、淡い時間を過ごすが、女性たちは必ず最後にはニシノのもとを去ってしまう。それでも真実の愛を求め続けるニシノの美しく切ない人生を描く。ニシノを取り巻く女性たちを、尾野真千子、成海璃子、木村文乃、本田翼、麻生久美子、阿川佐和子、中村ゆりかが演じる。

竹野内豊「ニシノユキヒコの恋と冒険」で見つけた新たな引き出し

竹野内豊がモテる男に扮する。さも有りなんと思えるキャスティングだが、「ニシノユキヒコの恋と冒険」で演じたタイトルロールはひと味もふた味も違う。恋に落ちた女性にことごとくフラれてしまうのだ。決して致命的な欠陥があるわけではない。そんな不可思議な主人公を、リアルかつ浮遊感を漂わせてスクリーンに現出させた。かねて注目していた井口奈己監督の演出を体感して見つけたという、竹野内の新たな引き出しとは?(取材・文/鈴木元、写真/堀弥生)

ニシノユキヒコは仕事もでき、セックスも抜群、何より女性に優しい。これに竹野内のルックスが加われば怖いものなし、と小市民的には思ってしまう。だが、恋はそれほど単純ではない。言い寄られてはフラれるニシノの魅力を、竹野内本人もいまだ計りかねている。

「試写を拝見した後でも、男目線で見るとなぜこんなにも多くの女性から愛されてフラれるのか、フラれてもモテ続けられるのか、ちょっと首をかしげたくなるようなところはあります。でも、分からないということが結局、冒険ということだろうと自分なりには解釈しちゃっています」

そもそも出演する決め手となったのは、井口監督の存在。前作の「人のセックスを笑うな」(2008)を見て、その世界観に魅了された。

「『人のセックスを笑うな』の永作博美さんと松山ケンイチさんの空気感を見ても一目りょう然だと思いますけれど、作られた感がないというか、まるでドキュメンタリーを見ているような恥ずかしさに陥りますよね。それが井口ワールドというか、ニシノユキヒコの話に井口監督演出、なんか面白い感じになるんじゃないかって。こういうチャンスがないと井口組に参加できる機会もない。ぜひやらせていただきたいと思いました」

井口監督からは「あまり気負わず、作り込んだりせずに、普段のご自身のままでいいですよ」と求められたという。だが、自然体の演技こそ俳優にとっては最も難しいといわれる。しかも、井口演出はカットを割らない長回しが特色。それを現場で存分に味わうことになる。

「役者が役を演じようとすることよりも、リアルにその場で起こる現実をカメラに残したいという思いがすごく強いんだと思います。台本で決められた部分が終わっても、ずーっとカメラを止めずにいたこともありました。それは意地悪で長回しをするということではなく、監督がカットをかけるのを忘れちゃったりするんですよ。『随分、長かったですね』って言っても、ケロッとした顔で『そうだったっけ? でも面白かったからずっと見ちゃいました』って。でも、監督のことを信頼できているからこそできるとは思います。まあ、嫌ですけれど(苦笑)」

無意識で悪意のない“ドS演出”。実はその“洗礼”を撮影初日から受けている。上司の尾野真千子と付き合い始め、じゃれ合うシーンだ。2004年の主演ドラマ「人間の証明」に尾野は端役で出演しているが、すれ違うくらいの設定で竹野内の記憶にはなく、実質的な初共演といえる。

「今日はよろしくお願いしますと言って、そのままイチャイチャするようなシーンだったんです。テストをやって、『じゃあ本番は、今の10倍以上ラブラブでお願いしまーす』と言われ挑んだんですけれど、台本上は終わっているのにカットがかからない。どうしたらいいのかなあ、でも10倍以上イチャイチャしてくださいって言われたしなあ。じゃあ、どうしたらいいんだろうって必死でしたね」

尾野のほかにも“交際相手”は麻生久美子、阿川佐和子、成海璃子、木村文乃、本田翼と魅力的な女性ばかり。スタッフにも女性が多かったそうで、なかなか体験のできない現場だったという。実際にモテているな、と錯覚することはなかったのだろうか。

「どうなんでしょう。まあ、疑似体験はできていたのかな。けっこう男くさい現場にいることも多かったので、これだけ女性が多い現場でしかもキャストはほぼ女性ですから。その前に男くさい現場(テレビ朝日の主演ドラマ「オリンピックの身代金」)にいたもので、だから華があるよなって。明るいんですよ、穏やかな感じで。だからとても幸せな現場でした」

それでは、自身の結婚観はどうなのだろう。「それねえ、どの取材でも必ず聞かれるんですよね」と苦笑しつつも持論を披歴した。

「この年(43歳)まで結婚していないと、余程何かおかしな人じゃないかって思われるかもしれないんですけれど、いたって普通にたまたまあぶれちゃっただけです。今まで結婚するかもしれないっていうこともあったので。でも、タイミングが合わなかっただけですよ。この年で結婚したいなんて、声を大にして言えるものじゃないですけれど、そういうご縁があったらということです。まだ未体験なので夢見ているだけかもしれないですけれど、きっと自分にとっては仕事は重要な人生の一部ですけれど、それ以上に大切な場所になるかもしれないですよね」

だが、井口監督との縁によって生み出されたニシノユキヒコは、どこかフワフワとした印象を与えつつも、女性には常に真摯に向き合う姿はリアリティに満ちている。なんとも希有なキャラクターで、竹野内も新境地を実感しているようだ。

「井口監督とご一緒できたことで、自分でも今まで気付かなかったような引き出しを新たに発見することができました。やはり今後も、そういう引き出しを開けられるようなチャンスに恵まれればいいと思います」

昨今は映画「謝罪の王様」やJTの缶コーヒー「Roots」のCMなどで、クールなだけでなく、いたってマジメに面白さを醸し演技の幅を広げ続けている印象がある。これも、好機を逃さない感性の鋭さのたまものだろう。

「いろいろな違う役をどんどんやっていきたいというのは、ごくごく自然なこと。ただし、アクションや悪役など、経験していない役はたくさんあって興味はありますけれど、自分はこんなこともできます的な感じではやりたくないです。中途半端があまり好きではないので、最初から何かイメージが決められたものより、自分がこういう役目をいただけるチャンスがあったら、その時は縁を大切にできたらと思います」

最後に「井口監督とは、いい縁だったか」と問うと、「そうですね。楽しかったです」と満足げな笑顔を見せた。今年が俳優デビューから20年の節目。ベテランの域に入ったが、竹野内の引き出しは、まだまだ増え続けていくに違いない。

Amazon.co.jp: ニシノユキヒコの恋と冒険 (新潮文庫): 川上 弘美: 本


内容(「BOOK」データベースより)

ニシノくん、幸彦、西野君、ユキヒコ…。姿よしセックスよし。女には一も二もなく優しく、懲りることを知らない。だけど最後には必ず去られてしまう。とめどないこの世に真実の愛を探してさまよった、男一匹ニシノユキヒコの恋とかなしみの道行きを、交情あった十人の女が思い語る。はてしなくしょうもないニシノの生きようが、切なく胸にせまる、傑作連作集。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

川上/弘美
1958(昭和33)年東京都生れ。’94(平成6)年「神様」で第一回パスカル短篇文学新人賞を受賞。’96年「蛇を踏む」で芥川賞、’99年『神様』でドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞、2000年『溺レる』で伊藤整文学賞、女流文学賞、’01年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

平成の光源氏??
投稿者 ワンダーソニア 投稿日 2004/6/11

実は今、何ヶ月もかかって「源氏物語」を一巻ずつ読んでいるのだが、ある意味ニシノくんも平成の光源氏かもしれない・・・と思った。女性に対して彼はいつも無意識のうちに「なめらかな上の空」なのだ。誰よりも優しく、無邪気で、誰よりも残酷。それに気づいたオンナ達はみんな彼から去っていく。あれだけ恋をしたのに、死ぬまで孤独だったニシノくん。でもでも、おそろしく魅力的だった。やっぱり「源氏」!?つまらない恋愛をいっぱいするくらいなら、ニシノくんのようなひととふるえるような濃密な時間を持ちたい、と願うオンナは多いはず。たとえ別れが約束されている恋だとしても。そう、たぶん、私もそのひとり。

ぼくにはだめでした
投稿者 もりーに 投稿日 2011/5/23

幻想的な蛇を踏む、神様、がけっこう好きだったので、これはどうかと手に取った。
私はこれで、この作者との間に溝ができてしまった。
この溝に理由があるとすれば、私が男である、ということにちがいない。
その他の人の感想を見ながら、なるほど、なるほど、好きな人はこの作品好きなんだなあ、と思った。
要するにこのニシノ君というキャラや、世界観に、妙な不快感を感じるわけですよ。
男である私は、ニシノユキヒコを人を愛せない哀れなやつだなどと、とは思わない。
ニシノ君に会いたい、とも思わないし、わかるわかる、こういう男の人っている〜とも思わない。
なにを思うのかというと、
「いいなあ、もてて。女はみんなこういう男に股を開き、その後、上から目線で、ダメンズ批判みたいなガールズトークするわけね、よかったね」というしょぼくれたルサンチマン的な感想のみ。登場人物の誰にも感情移入できず、なんの深みも、説得力のある人間描写も感じず、あっさり終わって閉じた本だった


posted by シネマっ子 at 10:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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